割烹料理店、居酒屋や屋台でお酒を飲んでいる時、サザエのつぼ焼きを目にして、注文したくなるあなた!
「自宅でもサザエを食べたい!」と、活サザエを近くのスーパーや、ネット通販で探した事があるのではないでしょうか?
サザエの定番料理である「つぼ焼き」は、おうちのフライパンで焼いたり、バーベキューの食材として網で焼いたりと調理も簡単、しかもお酒に合うので、チャレンジしたことがある方は多いことでしょう。
サザエ料理は調理も簡単で、ゴツゴツした殻の見た目からワイルド感もあり、男料理にもってこいです。
またお刺身料理にする場合、ナイフを使って捌くので力も必要ですから、男の腕の見せどころです。
家族やパートナーに代わって、ぜひかっこいい男料理を見せてあげましょう。
そんなサザエですが、肝の部分が取り出しにくくて困った事ありませんか?
こちらの記事ではそんなお悩みも解決できますよ。
今回は意外と知らずにサザエを調理していたあなたへ、活サザエの美味しさを最大限に引き出す調理法やお酒との相性や食卓でのアレンジ方法も紹介していきます!
また、サザエの旬の時期や産地の特徴についてもお伝えしていきますので、サザエ料理がある場での話題にどうぞ。
「伊勢志摩のOMOTENASHI」 スタッフコラム担当:とうこ
私は三重県の志摩半島南部にある志摩市生まれで、伊勢志摩のまちでサザエやアワビ、牡蠣などを調理提供しているお店で育ちましした。
そんないわゆる「高級食材」をおやつのごとく食べてきた私。
だからこそ知っている、簡単なさばき方から美味しい食べ方までお伝えしていきます!
地元民が教える美味しいサザエの食べ方とは?
地元民である私が一番美味しい!と思えるのは、やっぱり「つぼ焼き」と「刺身」です。
なんだ、やっぱりそれか。
という声が聞こえてきそうですが、昔から食べられている定番料理にはやはり「美味しいから!」という理由があり、私はその美味しさを最大限に引き出す方法を知っているのです。
ここではそんな定番料理「つぼ焼き」と「刺身」の本当に美味しい料理方法や時短テクニックを紹介していきます。
サザエって下処理がいる?
まずは下処理について。
「サザエって下処理が必要なのか?」という疑問に対して、回答は特に必要が無い。というのが本音です。
しいて言うなら「流水で殻や身の蓋の部分を洗う」という事でしょうか。
通販で買った活サザエでもまれに泥や砂が付いている事もあるでしょうから、そこは洗った方が良いでしょう。
つぼ焼きってフライパンやレンジで作れる?
つぼ焼きと言えば直火で網の上で。
というイメージが強いかと思いますが、フライパンやレンジ、トースターやオーブンで簡単に焼けます。
サザエの大きさによりますが、サザエが入るなら、魚焼きグリルで焼いてもいいでしょう。
注意点!
どの調理法でも味付けは最後、食べる直前にすること。
先に味付けをすると焦げる確率が高くなり肝の部分が取り出せなくなります。
ちなみに、味付けは出汁醤油が一番です。
「出汁醤油を作ることが面倒」「市販品の出汁醤油がない」という方は、ご自宅にある「めんつゆ」なんかでもOK。
フライパンでの調理方法
基本的には蒸し焼きのイメージです。
- 洗ったサザエをフライパンに並べます。
- 蓋が上になるように並べてください。
- サザエが半分ほど浸るように水を入れます。
- 蓋をして中火で5分ほど加熱します。
- サザエの中にお湯を入れて蓋をし、更に5分ほど加熱します。
- 食べる直前(熱いうち)に味付けをします。
蓋が飛んだり、肝が破裂したりして飛ぶ場合があるので、ラップをしっかりした方が良いでしょう。
2~3回くらいラップでくるくると巻くイメージです。
- 洗ったサザエを蓋が上になるように並べて水を張っておきます。
- ラップをします。
- 800Wで4分程度、500Wで7分程度を目安に加熱します。
- 様子を見ながら30秒ずつ加熱してみてください。
- サザエの蓋部分が外れていたり、グラグラしていたりしたら完了です。
魚焼きグリルでの調理方法
- 網の上に洗ったサザエを並べます。
- サザエの中にお湯を入れて加熱します。
- 水が減ってきたらお湯を足して更に加熱します。
- 大きさにもよりますが5〜10分程度、様子を見ながら焼いてください。
- 食べる直前(熱いうち)に味付けをします。
トースターやオーブンでの調理方法
- 天板にアルミホイルをひき洗ったサザエを並べます。
- 200度程度の予熱をして15分ほど焼いていきます。
- 蓋が外れたり、グラグラしてきたら完了です。
お酒好き必見!サザエの身と出汁を楽しむつぼ焼き
網で焼いたり、フライパンで調理する場合、事前に活サザエを茹でておく方法がおすすめ!
- たっぷりの水(サザエが浸るくらい)を深めの鍋で沸騰させます。
- 活サザエをお湯に入れ蓋をします。
- 活サザエを入れることでお湯の温度が一度下がりますので、そのまま強めの火で加熱します。
- 沸騰したら火を止め予熱で5分ほど置きます。
- サザエを鍋から取り出します。
非常に熱くなっていますので火傷に注意! - 千枚通しなど先の細い丈夫なものでサザエを殻から取り出します。
※千枚通しを身に刺し殻の方を回転させていくと綺麗に肝の部分まで取り出せます。この時サザエの蓋は取っておくと食べやすくなります。 - 取り出したサザエを元の殻に戻します。
- フライパンや網にサザエを身を上にして並べてください。
フライパンの場合はアルミホイルをくしゃくしゃにしてから広げその上にサザエを並べてください。 - サザエの殻の中にお湯を入れて加熱していきます。
サザエの様子を見ながらお湯が減ってきたら追加して常に身が浸るくらいにしてください。 - サザエの殻が鍋で身を煮ているイメージです。
- お湯がサザエの殻の中でグツグツを沸いてきたら、出汁醤油もしくはめんつゆなどをごく少量入れ味付けして完成です。
すでに火が通ったサザエを使う事で、味付けするのみとなり手間がかかりませんし、事前に殻から取り出しておけるので肝の部分も綺麗に取り出せます。
この方法のポイントは、
サザエの殻は鍋だと思え!
という事です。
お湯を入れ加熱することで殻の中でサザエから出汁が出て、それが濃厚なおつゆになりお酒に良く合う味となります。
上級編!お酒好きなあなたへ「サザエ酒」のすすめ。
出汁を半分ほど飲んでその中にお酒をいれるとサザエ酒になり絶品です。
飲み干しても殻の奥深くに残った出汁の味でもう一杯味わえますよ。
ぜひ試してみてください。
美味しいサザエの刺身の作り方
サザエの刺身は新鮮なものほど肝も甘く美味しいです。
身はコリコリしてアワビにも引けを取らない食感ですし、甘い肝は肝醤油にして食べるとより美味しく感じられると思います。
そんなサザエの刺身をするには、活サザエを捌く必要があります。
初めての方はちょっと難しく感じるかもしれませんが、ぜひチャレンジしてみてください。
サザエの刺身のさばき方
- 洗ったサザエを蓋を下にして置いておきます。
- 20分ほど経つと蓋の部分がゆるんできます。
- サザエをしっかり持って、蓋がゆるんだ隙間にステーキナイフ等を差し込み、サザエの身の部分を引き出します。
※ナイフを入れてからは一気にやりましょう。 - 活きの良いサザエの場合ナイフを入れた段階で反応して身を縮めて外敵から守ろうとします。そうするとナイフが挟まって動かなくなってしまうので注意!
- 殻に指を入れ貝の丸みにそって指を動かし貝柱を外していきます。
- 外れたら引っ張り肝の部分も取り出します。
- 身の部分に付いている赤い部分(口)を取り除きます。
- 身は薄く切っておきます。
- 貝殻に蓋を敷いて、その上に身を乗せて完成です。
肝は醤油に入れて肝醤油にしてみてください。
肝の部分が白い部分があるものと濃い緑1色のものと2種類あります。
これはオスかメスかの違いであり、白いものの方がオスです。
実はこのオスの方が少し甘いんです。
ただし、取り出してみないとわからないので、見つけたらぜひ食べ比べてみてくださいね。
つぼ焼きだけじゃないサザエの料理レシピ3選
サザエの料理と言えばつぼ焼きですが、もちろんそれだけじゃありません。
つぼ焼きも美味しいけど、飽きてきたな〜。
なんて贅沢なあなたに、アレンジレシピを紹介します!
サザエの炊き込みご飯
サザエを使った贅沢な炊き込みご飯のレシピをご紹介します。
【材料(約4人前)】
サザエ ... 15個程度
米 ... 3合
水 ... 450ml
醤油 ... 大さじ3
みりん ... 大さじ3
砂糖 ... 大さじ1
しょうが ... 1かけ
にんにく ... 1かけ
ごま油 ... 小さじ1
ごま ... 適量
【作り方】
- サザエは茹でたものを使います。
- 肝は使わず薄切りにしておきます。
- 米を洗って、水に浸しておきます。
- 鍋に醤油、みりん、砂糖、しょうが、にんにく、ごま油を入れて、弱火で煮詰めます。
- 煮詰めたら、水を加え、再び煮立てます。
- サザエを入れ、弱火で10分程度煮ます。
- 炊飯器に米を入れ、5で作ったサザエと出汁を入れて水を加えます。
- 炊飯器のメニューに従って炊飯します。
- 炊き上がったら、ごまを加えて混ぜ合わせます。
- 盛り付けたら完成です。
サザエの出汁が炊き込みご飯に旨味を与え、ごまの風味がアクセントになります。
サザエのアヒージョ
サザエのアヒージョのレシピをご紹介します。
【材料(約2人前)】
サザエ ... 8個程度
エクストラバージンオリーブオイル ... 100g
にんにく ... 2かけ
赤唐辛子 ... 1本
塩 ... 小さじ1/4
パセリ ... 適量
【作り方】
- サザエは茹でたものを使います。
- 鍋にサザエを入れ、水を加えて強火で加熱し、口を開けたら火を止めて、サザエを取り出します。
- サザエの身を取り出し、殻を取り除いておきます。
- 鍋にオリーブオイル、にんにく、赤唐辛子、塩を入れ、弱火で加熱します。
- にんにくが香り立ったら、サザエの身を加え混ぜます。
- 中火で5分ほど煮たら完成です。
パセリを散らせば彩りも良くなります。
サザエの旨味がオリーブオイルに移り、にんにくと赤唐辛子がアクセントになります。
サザエのオイルパスタ
サザエのオイルパスタのレシピをご紹介します。
サザエの身はアワビに似た食感なので、オイルパスタ以外にもクリームパスタにしても良いです。
今回、こちらの記事のレシピには紹介していませんが、新鮮なサザエの肝を使ってパスタソースを作ってもいいですね。
肝が好きな方には、濃厚な味わいと磯の香りが感じられる、本格パスタができますよ。機会があればまた紹介します!
【材料(約2人前)】
スパゲッティ ... 200g
サザエ ... 8個程度
エクストラバージンオリーブオイル ... 大さじ4
にんにく ... 2かけ
赤唐辛子 ... 1本
塩 ... 小さじ1/4
パセリ ... 適量
パルミジャーノ・レッジャーノ ... 適量
【作り方】
- スパゲッティを表示通りに茹でます。
- サザエは茹でておきます。
- 今回は身のみを使うので、薄く切っておきます。
- フライパンにオリーブオイル、にんにく、赤唐辛子、塩を入れ、弱火で加熱します。
- にんにくが香り立ったら、サザエの身を加え、さっと炒めます。
- 茹で上がったスパゲッティを加え、全体を混ぜ合わせます。
- 器に盛り付け、パセリとパルミジャーノ・レッジャーノを散らせば完成です。
サザエの旨味がオリーブオイルに移り、にんにくと赤唐辛子がアクセントになります。
色々な料理がありますので、いつもと違ったサザエの料理を、ぜひ、お試しください。
今回紹介した料理は身の部分を使う料理が多かったので、残った肝は生姜醤油で煮詰めたり、肝のみつぼ焼きにしてみたりすると良いですよ。
すぐ食べられない時の保存方法
活サザエを買ったり、貰ったりした時にすぐに食べれない事ありますよね。
そんな時、保存方法に迷ったりしませんか?
冷凍庫に保存するの?
いつまで生きているの?
と様々な疑問点があると思いますので、ここでは保存方法と生きている期間などを詳しく説明していきますね。
生きているかチェック!
サザエは生きていないと食べられません。
また、生きたまま腐っていく事もありますので、注意が必要です。
その判別方法は「匂い」です。
駄目なサザエは「もう絶対駄目だろう」という匂いがします。
これは嗅いだら絶対にわかりますので、保存する前には必ず匂いを嗅いでみてください。
その上で「黒い汁」が出ている場合は完全にアウトです。
それ以外にも「蓋が簡単に取れる」場合も死んでます。
以上のような状態のものは残念ですが捨ててしまってください。
間違っても「いけるかも!」と食べないで。
変な匂いのするサザエは食べられません!
保存方法
海水を用意出来るなら海水を浸した新聞紙などをサザエの上に掛けて保存すると良いですが、無い場合はそのままでも大丈夫です。
サザエは寒さ熱さに弱いので、冬はあまり寒くない場所、夏はあまり暑くならない場所(常温)で送って貰った箱(発泡スチロール等)で保管してください。
特に冬は冷蔵庫に入れて保管するのはやめてください。
死んでしまう可能性が高くなります。
冷凍保存の場合は生で食べる事は諦めて、殻付きのまま一度茹でてから冷凍庫で保存してください。
生きたまま保存する場合、冬で3〜5日程度、夏で2〜3日程度持ちます。
冷凍の場合は1ヶ月ほど持つのですぐに食べられない場合におすすめです。
伊勢志摩のサザエの旬と取れる場所を紹介
獲ろうと思えば年中穫れるサザエ。
でもサザエの産卵期が初夏から夏なので、その前春から初夏にかけてが栄養を身に蓄えたしっかりしたサザエが獲れますので、その時期が旬にあたります。
伊勢志摩では主に海女漁で水揚げされますが、伊勢海老の刺し網にかかる事もあり、三重県でも南の方である、鳥羽市、志摩市、南伊勢町、紀北町が名産です。
サザエは岩場の潮干帯から海藻の繁る水深に住み、海藻の切れ端などを食べて生息しています。
海女さんが穫るサザエの美味しさは別格!
サザエは刺し網漁でも穫る事が出来ますが、当店のサザエは海女さんが穫る天然のサザエです。
海女さんは今後の漁獲も視野に入れ、一つひとつ丁寧により良いものを獲っています。
そのため、出荷前まで海で活かして保管しておく海女さんもおり、そんなサザエは天然の海で砂も抜かれ、エサの海藻をたっぷり食べた肝は苦味もなく甘い味をしています。
サザエの肝は苦い。
というのは定説ですが、実はエサを食べていないサザエは飢餓状態となり、そうすると肝の部分はどんどんと苦くなっていくのです。
サザエの甘い肝は獲れたてでないと食べられませんので、海女さんが獲ったサザエをぜひ一度食べてみて欲しいです。